高校で使える奨学金・支援金まとめ|授業料以外を埋める制度一覧

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高校の学費支援というと就学支援金(授業料の支援)が注目されがちですが、就学支援金がカバーするのは授業料だけです。教科書代・教材費・通学費・入学時の費用は別の制度で補う必要があります。

この記事では、2026年7月時点の公式資料をもとに、「どの制度が何の費用をカバーするのか」を一覧で整理します。特に2026年度(令和8年度)から対象が中所得世帯まで広がった「高校生等奨学給付金」は、知らないと申請しそびれやすい制度です。

全体像:高校の学費支援は「授業料」と「授業料以外」の二階建て

高校でかかるお金は、大きく「授業料」と「それ以外(教科書費・教材費・学用品費・通学用品費・入学学用品費・教科外活動費・通信費など)」に分かれます。制度も費用ごとに分かれており、対応関係は次のとおりです。

カバーする費用種類主な窓口
高等学校等就学支援金授業料給付(返還不要)学校
高校生等奨学給付金教科書費・教材費など授業料以外給付(返還不要)都道府県(学校経由の場合あり)
都道府県の授業料軽減補助授業料(国の支援への上乗せ)給付(返還不要)都道府県・私学財団など
母子父子寡婦福祉資金(修学資金)授業料・書籍代・交通費など貸付(無利子)市区町村のひとり親家庭福祉担当課
社会福祉協議会の教育支援資金就学に必要な経費・入学時の費用貸付(条件付き無利子)市区町村社会福祉協議会
民間の給付型奨学金使途の指定がゆるやかな生活・修学費給付(返還不要)各団体

進学前に総額の見通しを立てたい場合は、高校進学にかかる費用の内訳と相場を整理した記事もあわせてご覧ください。

就学支援金は授業料のみ。2026年度から所得制限なし

高等学校等就学支援金は、授業料に充てるための国の給付制度です。2026年3月31日に改正法が成立し、2026年度(令和8年度)から所得制限が撤廃されました。支給上限額(年額)は次のとおりです。

出典は文部科学省の令和8年度制度資料です(文末リンク)。申請は在籍する学校からの案内に沿って行います。手続きの流れや必要書類は、就学支援金の申請手続きを段階ごとに解説した記事で詳しく説明しています。

注意したいのは、就学支援金はあくまで「授業料」に充てる制度だという点です。私立通信制で授業料以外の費用(施設設備費など)がどの程度残るかは学校により異なります。具体例として、N高等学校の学費と支援金適用後の実質負担を試算した記事が参考になります。

高校生等奨学給付金:授業料以外の費用に。2026年度から中所得世帯へ拡大

高校生等奨学給付金は、教科書費・教材費・学用品費・通学用品費・教科外活動費・通信費など、授業料以外の教育費に充てるための返還不要の給付金です。就学支援金とは目的が別の制度なので、要件を満たせば両方を受け取れます。

従来は生活保護世帯と住民税非課税世帯(年収約270万円未満)が対象でしたが、2026年度から年収約490万円未満の中所得世帯まで対象が広がりました。国の予算も前年度の152億円から322億円へ倍増しています。2026年度の給付額(年額)は次のとおりです。

国公立私立
生活保護世帯32,300円52,600円
非課税世帯(年収約270万円未満)全日制等143,700円152,000円
非課税世帯(年収約270万円未満)通信制50,500円52,100円
年収約270〜380万円 全日制等47,900円50,670円
年収約270〜380万円 通信制16,830円17,370円
年収約380〜490万円 全日制等35,930円38,000円
年収約380〜490万円 通信制12,630円13,030円

年収はあくまで目安で、文部科学省の資料では「両親の一方が働き、高校生1人(16歳以上)・中学生1人の4人世帯」のモデルで示されています。実際の判定は住民税の所得割額で行われます。

申請先は住んでいる都道府県です。都道府県によっては学校経由で申請する場合もあります。申請時期や様式は都道府県ごとに異なるため、学校からの配布物と都道府県の案内ページを確認してください。

都道府県の授業料軽減補助:国の支援への上乗せ

私立高校については、国の就学支援金に都道府県が独自に上乗せする補助があります。例えば東京都の「私立高等学校等授業料軽減助成金」は、2026年度の全日制で国の就学支援金457,200円に都の助成43,800円を上乗せし、合わせて年間最大501,000円まで助成されます。都の助成金のみの申請であれば所得要件はなく、通常申請の受付は7月1日〜7月31日です(東京都私学財団の案内より)。

上乗せの有無や金額は都道府県によって大きく異なります。国と都道府県の両方に申請しないと満額にならない地域もあるため、必ず在住の都道府県の私学担当課や私学財団のページを確認してください。

それでも足りないとき:無利子の貸付と民間の給付型奨学金

給付だけでまかなえない場合に検討したいのが、公的な無利子貸付と民間の給付型奨学金です。

母子父子寡婦福祉資金(修学資金):ひとり親家庭向けの無利子貸付です。高校の場合、月額の貸付限度額は27,000円(国公立・自宅通学)〜52,500円(私立・自宅外通学)です(2026年4月1日適用。都道府県の公表する限度額一覧より)。授業料・書籍代・交通費などに使えます。入学時の費用に充てる「就学支度資金」もあります。窓口は市区町村のひとり親家庭福祉担当課です。

社会福祉協議会の教育支援資金(生活福祉資金):低所得世帯向けの貸付で、高校の場合は月35,000円以内、入学時の「就学支度費」は50万円以内です(神奈川県社会福祉協議会の案内より)。計画どおり返済すれば無利子です。窓口は市区町村の社会福祉協議会です。

民間の給付型奨学金:例えば、あしなが育英会の高校奨学金は、保護者が病気・災害・自死などで亡くなった家庭や障がいのある家庭の生徒を対象に、月額30,000円を給付しています(返還不要・2026年度募集)。このほか地元企業や財団の奨学金が各地にあり、学校の進路指導室や自治体の広報で募集情報が案内されることが多いです。

よくある質問

就学支援金と奨学給付金は両方もらえますか?

両方受け取れます。就学支援金は授業料、奨学給付金は授業料以外の教育費と、対象とする費用が分かれているためです。それぞれ別に申請が必要です。

奨学給付金の申請はどこにすればよいですか?

住んでいる都道府県への申請です。都道府県によっては学校経由で申請します(文部科学省の案内より)。案内文書は学校経由で配布されることが多いですが、配布時期は都道府県・学校によって異なります。年度前半の配布物は見落とさないようにしてください。

申請しなくても自動的に振り込まれますか?

自動では支給されません。就学支援金・奨学給付金・都道府県の補助は、いずれも申請が前提です。特に奨学給付金は2026年度から対象が広がったため、「これまで対象外だったから」と思い込んで申請しないケースに注意が必要です。

通信制高校でも対象になりますか?

対象です。就学支援金は私立通信制で年額337,200円が上限、奨学給付金には通信制の区分(非課税世帯で年額50,500〜52,100円など)が設けられています。全日制と通信制で学費構造がどう違うかは、通信制高校と全日制高校の違いを比較した記事で整理しています。

まとめ:費用の種類ごとに制度を組み合わせる

高校の学費支援は、授業料は「就学支援金+都道府県の上乗せ」、授業料以外は「奨学給付金」、それでも足りない分は「無利子貸付・民間給付型」という組み合わせで考えると整理しやすくなります。2026年度は奨学給付金の対象拡大という大きな変更があった年です。いずれの制度も申請が前提のため、学校からの配布物と自治体の案内を確認し、締切を逃さないことが第一歩です。

本記事の内容は2026年7月時点の公式資料に基づいています。金額や対象は年度ごとに見直されるため、最新の情報は必ず文部科学省・都道府県の公式ページで確認してください。

出典